知っておくといい話 知っておくといい話
TIPS

知っておくといい話

ワクチンについて

ワクチンは、病気にかかってからでは効果がありません。流行が始まる前や、接種できる年齢になったらできるだけ早めに受けることが大切です。ワクチンには「定期接種」と「任意接種」の2種類があり、定期接種は公費で原則無料、任意接種は自己負担で受けることになります。どちらもお子さんの健康を守る大切な手段です。接種後に発熱や腫れなどの副反応が出ることもありますが、多くは数日でおさまり、重い副反応はまれです。それ以上に、病気にかかったときの重症化リスクを下げる効果が大きいと考えられています。ワクチンは自分のお子さんを守るだけでなく、ご家族や地域の人々を守ることにもつながります。スケジュールは種類ごとに決まっていますので、母子手帳を確認しながら、かかりつけ医にご相談ください。

フォローアップミルクについて

フォローアップミルクは、離乳が完了したあとに牛乳の代わりとして飲むことを想定して作られたもので、育児用ミルクとは別のものです。離乳が順調に進んでいれば、あえて切り替える必要はありません。基本的には牛乳に似せて作られているため、栄養素が多すぎてかえって離乳を妨げてしまう可能性があります。肥満予防のために勧められることもありますが、ほとんどの乳児は自然に運動量が増えることで体型も改善していきます。日本小児科学会も「フォローアップミルクに切り替える必要はない」との見解を示しています。鉄分の含有量も育児用ミルクと大きく差がなく、通常の育児用ミルクを飲んでいて鉄不足になる心配もほとんどありません。

薬局で売っている風邪薬について

薬局で販売されている総合感冒薬は、咳止めや解熱成分など、風邪の症状を和らげる薬が中心です。風邪そのものを早く治す効果はなく、抗生剤などの回復を助ける薬は含まれていません。そのため、軽い症状のときには一時的に使うのも良いですが、症状が重いときや2〜3日経っても改善が見られないときには必ず病院を受診してください。また、喘息の咳に市販の咳止めを使用すると、かえって悪化する場合があるので注意が必要です。

「熱さまシート」について

発熱したお子さんの額に「熱さまシート」を貼って来院される方が多くいらっしゃいます。ひんやりと気持ちよくなる効果はありますが、体温を下げる力はほとんどありません。本格的に熱を下げるには、氷枕や濡れタオルなどでしっかり冷やすことが必要です。また、火傷の処置には適していません。あくまでも「気持ちが落ち着く」ための補助的なものと考えてください。

熱がある時の対応

お子さんが熱を出すと、ご家庭では「後遺症が残るのではないか」と心配されることがあります。しかし、41℃を超える高熱が長く続く場合を除き、通常の発熱で後遺症が残ることはありません。解熱剤については、微熱で元気があるときは使用する必要はなく、40℃以上の高熱や、水分がとれない・ぐったりしているなどの状態で使用します。必ず医師に処方された薬を、指示された用量と間隔で使ってください。発熱時は環境を快適に保つことも大切です。室温は20〜25℃、湿度は60〜70%を目安にしましょう。水分は普段より多めに与え、下痢のときは乳製品を避けてください。入浴は、体調に問題がなければ短時間でさっと済ませる程度であればかまいませんが、ぐったりしているときは控え、代わりに濡れタオルで体を拭いて清潔を保ちましょう。けいれんを起こした場合、多くは数分で自然に治まります。慌てて口に物を入れるのは非常に危険です。もし5分以上続く、あるいは何度も繰り返す場合はすぐに医療機関を受診してください。

乳児のイオン飲料について

病気のときに脱水が心配される場合、乳幼児用のイオン飲料は飲みやすく吸収も良いため役立つことがあります。しかし、糖分が多く栄養が偏っているため、日常的に与えるのは望ましくありません。飲みすぎは下痢や肥満、虫歯の原因にもなります。あくまで病気のときの補助的な飲み物として短期間に限って使用し、普段はお茶や水を基本にしてください。

ペリネイタルビジットの
ご案内

おなかに赤ちゃんを授かり、そのおなかも大きくなるとお母さんは赤ちゃんの育成に大きく夢を膨らませる一方、不安感をもたれることも多いようです。

このような不安も少しでも解消できればと、県内の産婦人科と小児科医が一緒になって平成13年からペリネイタルビジットが開始されました。

ペリネイタルビジットは出産前・後に産婦人科の先生がお母さんの希望される小児科医を紹介し、小児科クリニックを訪ねていただいて子育て相談をしていただくシステムです。

一番の目的はなにか不安なことができる前にお話しさせていただくことと、それでもなにか心配なことがあったら気軽に相談できるかかりつけの小児科医を作っていただくことにあります。

何でもご気軽にご相談ください。

尚、ペリネイタルビジットには必ず出産される産婦人科の先生の御紹介状と事前の当院への電話(0977-24-1911)でのご予約が必要です。

小児科医と母親が話しているイラスト